Japanese e-Learning System for JLPT(N5~N1), JFT-Basic(A1/A2) and Specified Skills Test Preparation
技能実習
2027年4月より、技能実習制度は廃止され、新たな育成就労制度へと移行します。
⇒ 「育成就労制度」
技能実習制度
技能実習制度は、日本の国際協力の一環として、開発途上国の外国人を日本に受け入れ、一定期間、日本の企業等において技能、技術、知識の修得を支援する制度です。技能実習生は、実践的な技能等を習得することで、帰国後、母国の経済発展に貢献することが期待されています。
制度の目的(現行制度):
技能実習制度の目的は、単なる労働力の需給調整ではなく、国際協力の推進という理念に基づいています。具体的には、以下の3点が挙げられます。
1.開発途上国への技能等の移転: 日本で培われた技能、技術、知識を開発途上国の若者に移転し、その国の産業・経済発展を担う人材育成に協力すること。
2.国際貢献: 人材育成を通じて、開発途上国との友好関係を増進し、国際社会に貢献すること。
3.日本の国際的地位の向上: 開発途上国からの人材育成への貢献を通じて、日本の国際的な評価と信頼を高めること。
技能実習の区分と活動内容:
技能実習は、技能等の習熟度に応じて、以下の3つの段階に分かれています。
第1号技能実習:
・対象者: 日本への入国後、初めて技能実習を行う者。
・在留期間: 最長1年。
・活動内容: 講習や座学による基礎知識の習得と、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)による基本的な技能・技術の習得。入国後、一定期間(通常1~2ヶ月程度)の講習を受けることが義務付けられています。
第2号技能実習:
・対象者: 第1号技能実習を良好に修了し、一定の技能評価試験(基礎級またはこれに相当する試験)に合格した者。
・在留期間: 最長2年(第1号と合わせて最長3年)。
・活動内容: 第1号で習得した技能・技術を基礎として、より熟練した技能・技術の習得。より実践的な業務に従事し、高度な技能を習得することを目指します。
第3号技能実習:
・対象者: 第2号技能実習を良好に修了し、より高度な技能評価試験(専門級またはこれに相当する試験)に合格した者。かつ、受け入れ企業(実習実施者)と監理団体が一定の要件(優良な監理体制、適切な実習環境など)を満たしている場合に限ります。
・在留期間: 最長2年(第2号と合わせて最長5年)。
・活動内容: 第2号で習得した熟練した技能・技術をさらに深化させ、高度な技能・技術の習得を目指します。より専門的な業務や指導的な業務に携わることもあります。
技能評価試験:
技能実習生が次の段階へ移行するためには、所定の技能評価試験に合格する必要があります。この試験は、技能検定制度に基づいて実施され、習得した技能のレベルを客観的に評価するものです。試験の種類には、基礎級、専門級などがあり、職種・作業によって内容や合格基準が異なります。
受入れの方式:
技能実習生を受け入れる方式には、以下の2種類があります。
・企業単独型:
日本の企業が、海外の自社の現地法人、合弁会社、取引先企業の従業員などを直接受け入れる方式です。
中小企業よりも、海外に拠点を持つ比較的規模の大きな企業が中心となります。
受け入れ企業が、技能実習生の指導・監督、生活支援などを直接行います。
・団体監理型:
事業協同組合、商工会、中小企業団体などが監理団体となり、その傘下の中小企業などを実習実施者として、技能実習生を受け入れる方式です。
多くの中小企業が、この団体監理型を通じて技能実習生を受け入れています。
監理団体は、技能実習計画の作成指導、実習実施者への監査、技能実習生の生活相談など、幅広い役割を担います。
技能実習生の保護:
技能実習制度は、国際協力という目的を持つ一方で、技能実習生の権利保護も重要な側面として位置づけられています。労働基準法、最低賃金法などの労働関係法令が適用されるのはもちろんのこと、以下のような保護措置が講じられています。
技能実習計画の認定:
実習実施者は、技能実習の目標、内容、期間、待遇などを記載した技能実習計画を作成し、国(外国人技能実習機構)の認定を受ける必要があります。不適切な計画は認定されません。
監理団体の役割:
団体監理型の場合、監理団体が実習実施者への監査を行い、技能実習が適正に行われているかを確認します。また、技能実習生の相談窓口としての役割も担います。
外国人技能実習機構の監督:
国は、外国人技能実習機構を通じて、実習実施者や監理団体に対して指導・監督を行い、不正行為の防止に努めています。
相談・救済措置:
技能実習生が困った際に相談できる窓口が設けられており、人権侵害や労働条件に関する問題などについて、相談や救済の支援を受けることができます。
問題点と課題:
技能実習制度は、開発途上国への技能移転という点で一定の成果を上げてきた一方で、以下のような問題点や課題も指摘されています。
・労働力不足の解消手段としての利用:
一部の企業が、制度の趣旨とは異なり、安価な労働力の確保を主な目的として技能実習生を受け入れている事例があります。
・技能実習生の権利侵害:
低賃金、長時間労働、ハラスメントなど、技能実習生の権利が侵害される事例が後を絶ちません。
・失踪問題:
劣悪な労働条件や低賃金などを理由に、技能実習生が失踪するケースが発生しています。
・送り出し機関の問題:
一部の悪質な送り出し機関が、高額な手数料を徴収したり、不適切な契約を結ばせたりするなどの問題があります。
育成就労制度への移行:
これらの問題点を踏まえ、2027年4月より、技能実習制度は廃止され、新たな育成就労制度へと移行します。
新制度では、育成期間の明確化、特定技能への移行の円滑化、監理・支援体制の強化などが図られる予定です。
学歴要件:
第1号技能実習においては、原則として学歴による明確な制限はありません。
つまり、最終学歴が中学校卒業や高等学校卒業であっても、要件を満たせば第1号技能実習生として入国することが可能です。
ただし、受け入れ企業(実習実施者)や監理団体によっては、業務に必要な基礎知識や理解力を考慮し、一定の学歴を求める場合があります。これは制度上の必須条件ではありませんが、スムーズな技能習得のために自主的に設定されることがあります。
入国要件:
第1号技能実習生として日本に入国するためには、以下の主な要件を満たす必要があります。
・年齢: 18歳以上であること。上限年齢については、制度上明確な定めはありませんが、実習内容への適応性などを考慮して、受け入れ企業や監理団体が設定する場合があります。
・技能等の修得意欲: 日本で技能、技術、知識を修得し、帰国後、その習得した技能等を活かして母国の経済発展に貢献しようとする意欲があること。
・日本の在留資格に該当すること: 出入国管理及び難民認定法(入管法)に定められた「技能実習1号」の在留資格に該当する必要があります。
・送出し機関の推薦: 原則として、母国の政府が認めた送り出し機関を通じて申請する必要があります。
・健康状態: 日本での技能実習に支障がない健康状態であること。入国前に健康診断を受ける必要があります。
・日本語能力: 日常会話程度の日本語能力を有していることが望ましいとされています。入国後の講習や実習を円滑に進めるために、ある程度の日本語能力が求められる場合があります。ただし、制度上の必須要件ではありません。(介護を除く)
・過去の日本への入国・在留状況: 過去に日本に在留したことがある場合は、その際の在留状況に問題がないこと(不法滞在や強制送還等の事実がないこと)。
・その他:
犯罪歴がないことなど、日本の入国管理に関する法令に適合していること。
受け入れ企業や監理団体の定める条件を満たしていること。

